TOHOシネマズ天神ソラリア館の閉館理由と跡地の現在|後継映画館へ
かつて福岡・天神のエンタメシーンを牽引し、多くの映画ファンに親しまれた「TOHOシネマズ天神・ソラリア館」。西鉄福岡(天神)駅直結という抜群のアクセスを誇り、休日の待ち合わせや仕事帰りのレイトショーなど、日常の風景として記憶に刻まれている方も多いはずです。しかし、惜しまれつつその歴史に幕を下ろしてから月日が流れ、現在の様子や閉館の真相について知りたいという声が後を絶ちません。
劇場が営業を終えた背景には、単なる施設の都合にとどまらない興行界の構造転換や天神地区の再開発、さらにはTOHOシネマズ全体の戦略再編が深く関わっていました。かつてソラリア館があったフロアの現状や新劇場の誕生、そして現在の天神・福岡エリアにおける映画館事情を徹底取材しました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:TOHOシネマズ天神・ソラリア館は賃貸借契約の満了と劇場の戦略的再編に伴い、2020年3月末に惜しまれつつ閉館した。
- 要点2:ソラリアプラザ7階の跡地には、木下グループが手がけるミニシアター系シネコン「kino cinéma(キノシネマ)天神」が誕生し、天神中心部の映画館が復活。
- 要点3:TOHOシネマズはその後、最新鋭設備を備えた大型劇場「TOHOシネマズららぽーと福岡」を開業させ、福岡都市圏の興行勢力図を大きく刷新した。
【閉館の真相】TOHOシネマズ天神ソラリア館はなぜ幕を下ろしたのか?
地元ファンに衝撃を与えたTOHOシネマズ天神ソラリア館の営業終了。その引き金となった要因を紐解くには、まず2館体制をとっていた同劇場の歴史を振り返る必要があります。かつて天神地区のTOHOシネマズは、きらめき通り沿いにあった「本館(旧・天神東宝)」と、ファッションビル・ソラリアプラザ7階に位置する「ソラリア館」の2拠点でスクリーンを展開していました。
先行して動きがあったのは2017年3月31日のことでした。ビル自体の老朽化や大規模再開発プロジェクト「天神ビッグバン」の始動に伴い、まずTOHOシネマズ天神本館が閉館を迎えます。この時点で本館にあった大型スクリーン群が消失し、興行の主軸は3スクリーンのみを有するソラリア館へと一本化されました。しかし、大作映画の上映規模を維持するにはスクリーン数やキャパシティの不足が否めず、映画ファンからは利便性の高さゆえの懸念が上がっていたのも事実です。
そして迎えた2020年3月31日、ソラリアプラザとの定期建物賃貸借契約の満了を機に、ソラリア館も営業終了を決断しました。背景には、開館から20年以上が経過した館内設備の更新コストに加え、郊外型大型ショッピングモールへシネマコンプレックスを集約させる興行業界全体のトレンドがありました。都心の一等地にありながらも、多面的なビジネス判断と都市の構造変化が重なった結果の幕引きだったのです。
【跡地の現在】ソラリアプラザ7階に「キノシネマ天神」が誕生した軌跡
ソラリア館の撤退後、映画の街・天神の象徴でもあったソラリアプラザ7階フロアの行方に注目が集まりました。一時は催事スペースや他業態への転換も噂されましたが、「天神のど真ん中に映画館の灯を絶やしてはならない」という強い期待に応える形で、映画配給大手キノフィルムズを擁する木下グループが名乗りを上げました。
丁寧な全面改装工事を経て、同フロアには「kino cinéma(キノシネマ)天神」がグランドオープンを果たしました。既存劇場の構造を巧みに活かしつつ、内装をシックで洗練されたホテルのラウンジのようなモダン空間へと一新。かつてTOHOシネマズに通い詰めていた観客にとっても、懐かしさと圧倒的な新しさが同居する空間として鮮烈な復活を遂げています。
改札口からエレベーターで直行できる西鉄福岡(天神)駅直結の利便性はそのままに、商業施設内テナントとしての回遊性も向上しました。買い物の合間や仕事終わりにふらりと立ち寄れるカルチャースポットとして、かつての賑わいが日常に戻っています。
【評判と特徴】kino cinema天神の魅力|座席の快適性と上映ラインナップ
装いを新たにスタートしたkino cinéma天神は、映画ファンから極めて高い支持を獲得しています。その最大の要因は、館内の細部にまで行き届いたホスピタリティと厳選された上映作品にあります。
全3スクリーン・合計約220席という規模感は、いわゆるメガシネコンとは一線を画す落ち着いたサイズ感です。特筆すべきは、パリのオペラ座などにも導入実績があるフランス・キネット社製のプレミアムシートをはじめとする高品質な座席設計。前後のシートピッチがゆったりと確保されており、長時間の鑑賞でも疲れにくい構造が観客の間で評判を呼んでいます。
上映ラインナップも独自の個性を放っています。大手シネコンが得意とするハリウッド超大作や国内メガヒット作だけでなく、ヨーロッパの珠玉のアートハウス系映画、気鋭のインディペンデント作品、さらには良質なアジア映画までを幅広く網羅。映画カルチャーを深く愛する層はもちろん、良質な大人のエンタメを求める幅広い年代の観客を惹きつけています。
【福岡・天神の映画館事情】TOHOシネマズの行方と「ららぽーと福岡」への移転背景
天神都心部から姿を消したTOHOシネマズですが、それは福岡撤退を意味するものではありませんでした。明確な戦略的転換の結実として誕生したのが、博多区那珂の青果市場跡地に開業した大型商業施設内の「TOHOシネマズららぽーと福岡」です。
都心のビルイン型劇場では物理的に導入が難しかった最新鋭の上映システムを惜しみなく投入。独自規格のハイエンドシアターである「プレミアムシアター」に加え、空気を震わせる重低音を体感できる「轟音シアター」など、最先端の映画体験を具現化しました。家族連れや車での来場者がアクセスしやすい巨大パーキングを備えた施設へシフトすることで、体験価値の最大化を図ったと言えます。
これにより、日常のスキマ時間に駅直結でカルチャー作品を楽しむ「都心・天神型」と、最高峰の音響や映像スペックを目的に遠方からも足を運ぶ「郊外・体験型」という、明確な棲み分けが福岡都市圏の映画シーンに確立されました。
【2026年最新】福岡・天神エリアのおすすめ映画館比較ガイド
現在、福岡の中心部で映画を楽しむための選択肢は非常に充実しています。観たい作品のジャンルやその日のスケジュールに合わせて最適な映画館を選べるのが、この街の大きな魅力です。
西鉄福岡(天神)駅や地下鉄天神駅を拠点にする場合、まずは利便性抜群のkino cinéma天神が筆頭に挙がります。雨に濡れることなくアクセスでき、上映スケジュールの合間にソラリアプラザや警固公園周辺のカフェで過ごすスマートな鑑賞スタイルが定着しています。
一方、福岡の映画文化を長年支え続ける名門ミニシアターといえば、長浜方面に位置するKBCシネマです。映画ファン垂涎の特集上映や舞台挨拶付きの上映会などが頻繁に開催され、全国屈指の独立系シアターとして確固たる存在感を放っています。さらに、少し足を伸ばしてキャナルシティ博多内のユナイテッド・シネマやJR博多駅直結のT・ジョイ博多を利用すれば、話題の大作を網羅することが可能です。
【TOHOシネマズ天神ソラリア館】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:TOHOシネマズ天神ソラリア館の跡地には現在、何がありますか?
A1:ソラリアプラザ7階の同フロアには現在、木下グループが運営する3スクリーンの映画館「kino cinéma(キノシネマ)天神」が営業しています。内装はフルリニューアルされ、快適な座席と洗練された空間で映画を鑑賞できます。
Q2:かつてソラリア館で利用していたTOHOシネマズのマイルやポイントは現在どこで使えますか?
A2:TOHOシネマズのTCチケットやシネマイレージポイントは、福岡県内では「TOHOシネマズららぽーと福岡」をはじめ、「TOHOシネマズ福津」など全国の系列劇場で引き続き利用可能です。なお、現在のソラリアプラザ内(kino cinéma天神)ではTOHOシネマズの各種サービスは利用できません。
Q3:キノシネマ天神の上映スケジュールやチケットはWEBで事前購入できますか?
A3:はい、公式サイトから上映スケジュールの確認およびオンライン座席予約が可能です。鑑賞希望日の数日前から座席指定チケットを購入できるシステムが整っています。
まとめ:天神の映画文化が紡ぐ新たなステージ
長年にわたり天神のカルチャー発信基地として親しまれたTOHOシネマズ天神ソラリア館の閉館は、ひとつの時代の区切りとなりました。しかしその情熱と立地のポテンシャルは決して途絶えることなく、「kino cinéma天神」という新しい形のシネマコンプレックスとして見事に継承されています。
都心の駅直結でアートや良質な人間ドラマに浸る時間、そして郊外の最新鋭シアターで大迫力のエンタメに圧倒される時間。映画の楽しみ方が多様化した今、天神を取り巻くシアター環境はかつてない豊かな広がりを見せています。週末のひととき、新しく生まれ変わったスクリーンへ足を運んでみてはいかがでしょうか。 (出典: toho シネマズ 天神 ソラリア 館(Yahoo!ニュース))